つぶやくにはながいこと

あたまのたいそう

山吹はオーダー次第では関東大会で不動峰に勝てたのか

 

web拍手「山吹はオーダー次第では不動峰に勝てた可能性はあると思いますか? また、その場合どのようなオーダーでしょうか?」

 

 

 

あの時点での山吹そして不動峰の戦力や状況を考えると、オーダーを変えたところで山吹が勝つ確率は甘めに見て4割だと思います。

 

まず前提として、不動峰にとって山吹という対戦相手に挑むこの試合はリベンジマッチです。試合前の不慮の事故があろうが、その時挑発してきた亜久津が今の山吹にいなかろうが、山吹が自分たちを一度負かした相手であることに違いはありません。負けること、それも理不尽なものに敗北する悔しさ*1を知り、しかしそこから立ち上がることも知っている彼らが、「打倒」とまでは行かずとも、いつもの試合よりも闘志を抱いたであろうことは想像に難くないです。

 

 

 

実際のオーダーを見てみると、どちらのチームのオーダーもいつも通りのレギュラー陣で固めてきています*2。山吹はおそらく今回もくじ引きだったのでしょうがD2が新渡米・喜多、D1が南・東方、S3錦織、S2千石、S1室町、対する不動峰は同様に内村・森、石田・桜井、伊武、神尾、橘のオーダーです。

 

D2の新渡米・喜多vs内村・森はかなりの接戦だったのではないでしょうか。実際のスコアも6-7ですし、体格が似ている固定ダブルス同士の試合、ここは運悪く負けた/運良く勝ったの話だと思います。片方(ニトキタ)に原作での試合描写が無いのでテニミュを参考にすると、ニトキタが忍者とゴリラの作中最強ダブルスになってしまうので今の話は聞かなかったことにしてください。

 

D1、というか相手が誰であろうが(いわゆる「テニヌ」と揶揄されるようなとんでも技を打ち出してくる相手でなければ)うちの地味'Sは勝ちます。千石清純考の中でも触れましたが、都大会の決勝で地味'Sは、前回負かした相手である大石のいる黄金ペアに敗北を喫します。伴爺にも言われた通り、彼らの敗北の原因は実力の不足ではなく精神的な慢心、油断です。彼らの地味さの理由のひとつは堅実さ。堅実な彼らはその後しっかり自分たちを見つめ直し、精神的にも隙の無いダブルスを再構築していきました。心、技、そして両者ともに高身長という恵まれた体格。元々地味'Sは全国区ダブルスに名を連ねる実力者です。石田・桜井ペアだろうが内村・森ペアだろうが、はたまた他のコンビだろうが、敗北を知った地味'Sの二人はこんなところでは負けません。逆に運が無かったのが石田・桜井ペアで、この二人はニトキタと当たっていれば6-3とかで勝っていたと思います。重戦車の石田をオールラウンダーの桜井がフォローし、小柄なニトキタを吹っ飛ばす*3戦法で行けば勝てたのではないでしょうか。今回は相手が悪かった。きっと橘さんも、そう言って石田と桜井の二人を励まし称えたことでしょう。

 

ダブルスはその日のコンディションや運によって2勝できるか1勝1敗となってしまうか、というところでしょう。ダブルスが強いと言われる山吹ですがこれは団体戦、シングルスでも最低1勝は収めなければなりません。

 

錦織の実力は自ら「レギュラー入りできただけで満足」と述べてしまうレベルなので、はっきり言ってしまえば捨てのシングルスです。となると千石、もしくは室町が勝たなければならない。先に室町の話をしますが、公式の試合経験が乏しく、作中でも実力に対するこれと言った描写が無い(≒他の選手に比べると評価は高くない、とします)彼が負けん気の強い不動峰の選手に勝てるとは到底思えません。先述の地味'Sの慢心とはまた違ったメンタル面の問題で、現状の室町が不動峰の選手に勝つのは厳しいでしょう。

 

次に千石です。大事なキャラクターだからこそはっきり言いますが、当時の彼が神尾に負けたのは当然の結果だと思っています。音速弾(ソニックブリット)を見極められたのに身体が追いつかず返球できないというフィジカルの問題。桃城に付けられた黒星をそこまで重くは受け止めず、もしかしたら今回も心のどこかで油断を抱えていたかもしれないというメンタルの問題。相手が伊武なら勝てたのかと問われれば、それもうーん……と唸ってしまうところです。技術面で言えば千石の方が上回っていると思いますが、パッと見の根暗オーラで騙されてしまいますがサマバレのコメントが記憶に新しい彼、伊武の負けん気は相当強いです。もし伊武が千石の「ジュニア選抜」という肩書きを耳にしたら、ビビるどころかぼやきながらも内心闘争心メラメラになると思います。そんな相手にあの頃の千石さんは、果たして勝てたのでしょうか。

 

橘さんに誰も勝てないのは言うまでもないので省略します。

 

 

 

ダブルスで2勝してシングルスで千石が押さえる。乾も説明していた通り、これが山吹の必勝パターンです。しかし同時に山吹の抱える問題点そのものでもあります。山吹の部員数は亜久津を除いて17名*4ですが、1年生の間に部員が辞めた(辞める)可能性を考えると、3年が作中に名前の存在する5名(南・東方・千石・新渡米・錦織)、2年が5名(室町・喜多・ほか3名)、1年が7名(壇・北野・ほか5名)ぐらいの人数比と推測できます。3年は錦織を除く4名がレギュラー、更にその内3名がダブルスプレイヤーです。ダブルスの方は、描写されていないとはいえ現レギュラーの後継となるペアがいる可能性は大いにあります。シングルスで安定してレギュラー入りをしているのが千石・室町ですが、3枠目が確定していないということは彼らの後に続く選手が育成できていない、シングルスの層の薄さの表われに他なりません。先述のとおり実力の安定しない錦織、そして実力はさておき経験不足の室町。彼らに劣るシングルスプレイヤーしかいないというのが山吹の現状です。しかし20年以上に亘り彼らを支えてきた名顧問の伴爺がいるから、これまで山吹中テニス部は安定した強さを誇ってきたのだと思います。きっと現在の3年生が卒業するまでに、後輩である彼らも伴爺の元でより強くなっていくのでしょう。

 

 

 

原作の山吹vs不動峰(あるいは不動峰vs山吹)戦は非常に納得のいく、リアリティのある結果だったと思います。神尾vs千石戦はオールテニプリミュージアムの企画の投票でも、数ある人気キャラの試合を差し置いて19位にランクインするという高評価を得ていました。3rdシーズンの千石役のもりたくんも、今後演じられる可能性が一切無い*5にもかかわらず、自分が演じた試合ではなくこちらの試合に投票していました。千石さんのこと、心から大事にしてくれてありがとう。話が逸れました。山吹中テニス部にとって、それは現在の彼らだけではなく過去の部員たち、そして未来の部員たちにとって、この夏はとても「大きな夏」だったと思います。悲願の全国大会出場、そして強豪の勢いを肌で感じること。3年が引退した後の彼らが、この夏の経験を糧にもっともっと強くなることを願っています。

 

 

 

 

 

web拍手に質問を投稿して下さった方、お題くださいとだけ書き残して寝た私の相手をしてくださってありがとうございました。それにもかかわらず、まさか翌日にあんなこと(SQ本誌)が起きるとは思わなかったので、大変長らくお待たせしてしまい申し訳無いです。

 

こちらのブログのコメント欄も承認制にしているため、昔の記事も含め気楽なコメントなどお待ちしております。非公開希望の場合はその旨を記載していただければ、コメント欄に私からの返信のみを表示させるなど対応致します。多分できるよね?(スパムからしかコメントもらったことない)

 

*1:橘が来る前のかつての顧問や先輩

*2:もっとも不動峰は全部員ですが

*3:この漫画の話で吹っ飛ばすという表現を使うとマジで場外ホームランとかを想像してしまいがちですが彼らがやっているのはテニスなのでこれはあくまでも比喩です

*4:「終わっちまったよ…亜久津」で有名(?)な『Genius273 ベスト8出揃う!!』で17名全員の姿が確認できる(画像参照)ことからも、この数字が亜久津を抜いたものであることが分かります。モブも含めた全部員の姿が作中で確認できるのは、恐らく山吹中テニス部だけではないでしょうか。

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*5:他校同士の試合