No. 1の俺が空を飛ぶ / 私の「私のホストちゃんREBORN 絶唱!大阪ミナミ編」体験記

※若干ネタバレ有り。未見の方はネタバレ無しで観に行った方が面白いと思う

 

 

 

もりたくんが病気の子の代役をやっていると知ったのは、別の若手俳優のオタクからのLINEだった。同じクラブローズのくらたくんの代役かな?と思いツイート検索をしたところ、どうやらこさかくんの方らしい。しかもこさかくんの役どころである珠輝は物語上どうしても外せない役のようで、おそらくもりたくんの本来の役の豪太とはまた違ったタイプのホストを演じているのかもしれないと、俄然興味が湧いてしまった。若手俳優が代役をやるところを観られる機会なんてそうないぞ、と。

 

翌朝目が覚めた時、一晩経って冷静になったからか「やっぱ手元にある別公演のチケットだけでいいわ」という気持ちになっていた。その日はフォロワーが誘ってくれた、彼女の推しの舞台を観に行った。この舞台が、まあ、キャスト陣はよかったのだが、オブラートに包んで言えば私の肌に合わず、台本上に印刷された冗長な言葉たちによって繰り広げられる物語を観て弊社の会議室よりも固い椅子の上で尻を痛めながら「(明日もホストちゃん観に行こ……)」ということを、薄ぼんやりと思ったのだった。そして私は終演後の道すがらフォロワーに「明日ホストちゃん行くわ……」と漏らし、翌日当日券で観に行った。オタク趣味に寛容なうちの母をもってして「あんたそんな舞台観に行かないよね!?」と言わしめた、とんでも集金システムを誇る(誇らないでほしいが)舞台私のホストちゃんを、いよいよ観る日がやってきた。

 

 

 

結果として私はめちゃくちゃ楽しんで帰ってきた。あのNo. 1レビューってやつが凄かった。その日は檸檬のまついくんがNo. 1を取ったので、私のレビュー初体験は檸檬と相成った。ずっと祈るように両手を固く握っていた彼が、自分の名前が呼ばれた瞬間に手を解き声を上げて喜ぶ姿を見て、その日初めて彼を知った私の心臓もぐわっと熱くなるのを感じた。そして襖のようなブラインドの向こうへ一度去った彼が、白スーツを纏い巨大なハートを模(かたど)った白い羽を背負って舞台上に現れた時に、これが「ホストちゃん」なのかと色んなものを納得させられた。あれだけ拒絶しまくっていたホストちゃんを、納得してしまった。その上、コールなど一般人の思うホスト要素を散りばめたノリの良い曲をセンターで歌い上げるまついくんの姿を見ながら、確かにこれは他の色んな子でも観てみたいなと思わされてしまった。顔が良かったりスタイルが良かったりする男たちが勢揃いしてチャラいスーツを着て踊っているだけで、それはもう映えるのだ。私の中の阿倍野ハルカ*1も大満足だった。ホストランキングと太客ランキングという集金システムを思い付いた鈴……さむは何度考えても地獄に堕ちろ案件なのだが、その日のNo.1が公演が始まらないと分からず、その結果によって二幕のレビューでセンターに輝くホストも変わるというのは、背後にある集金システムから目を背ければ日替わりマルチエンディングみたいで面白いと素直に感じた。今まで知らなかった男の子のホスト姿や白スーツですら楽しめるのだから、きっと知っている子がチャラいスーツを見に纏い歌にダンスに芸を披露するところを見たらもっと楽しめるのだろうと、テニミュ出身者が何人もいた一年前の公演も観に行ってみればよかったなあということをなんとなく思った。

 

・「内容が無い」のに面白い

二幕のレビューだけでなく、一幕の舞台パートも大いに楽しめた。まず、というかこの一言に尽きるのだが内容が無い。アタマカラっぽで楽しめる系の内容の無さだ。ホストちゃんは元々の意義が若俳ワラワラ集金システムなので内容が無くて当然だし、これで大層なメッセージが込められているなんてことがあったらそれこそ興醒めだ。ちなみに前日に見た舞台も内容が無い舞台だったが、一応笑いあり涙ありのコメディ作品ではあったものの題材*2が題材で作中で起こる出来事はシリアスなだけに、観劇後に「で、結局何を見せたかったの?」という残尿感のような気持ち悪さが残った。観劇中も役柄や役同士の関係性が掴み難く、劇中で説明があってもところどころで頭上にクエスチョンマークを浮かべるタイミングが度々あった。しかしホストちゃんではそれがなかった。ホストちゃんの方がよっぽど訳の分からない設定を闇鍋の如く詰め込んでいるにもかかわらずだ。

ホストちゃんの公式サイトにあるキャスト(キャラクター)紹介ページには、一人あたり一文程度の紹介文しか掲載されていない。ところが物語が始まると、やれ誰と誰が兄弟だ、元相方だ、恋敵だ、ロボットだと次から次へと設定が出てくる。例えばサブキャラの夢・ジャネットはサイトでは「OSAKAにDREAMを与えるCELEB」と随分簡潔な説明だが、作中の彼女の物語を説明すると「大人気ラジオ番組のDJも務める冠番組12本持ちの大阪のお喋りオバちゃんだが最終的にホストを憎んでこの世のすべてのホストを殲滅させるロボットにさせられる」になる。まったくもって意味が分からないと思うが、劇中に一応存在しているストーリーに沿って彼女はこんなことになってしまうのだ。以前劇場アニメのKING OF PRISMを観た友人が、新宿のロッテリアでしきりに「あのね、ほんとにごく自然な流れでケツから蜂蜜が出るの」と説明してきた時、私は「ごく自然な流れでケツから蜂蜜が出るの?」と彼女の発言をオウム返しするしかできなかったが、今なら彼女の言いたかったことがなんとなく分かる。一見、いや一見どころかどう考えても荒唐無稽なのだが、それがすんなりと当たり前のことのように頭に入ってくるのだ。終演後に話を思い返してもやはり大方適当なストーリーではあるのだが、ヤカラヅカ歌劇団とかぴゅあらぶ学園とか、もう何が何だかさっぱりの筈なのに、確かにそこには理解できる物語が存在していた。姉(松風ちひろ)がロボットであることを知った湊人は「なーんだー道理でおかしいと思ったんだよ」と笑って姉と軽快にハイタッチを交わすが、すべての物語がそんな感じで軽快に進んでいく。同じ「内容が無い」舞台でも前日に観た舞台とは大違い、むしろ前日に別の舞台を観たからこそ、ホストちゃんの面白いところに気が付くことができたのかもしれない。

 

・ホストちゃんというコンテンツ

二幕でNo. 1を発表するに至る、またその後の物語の流れもかなり適当で、一幕を考慮するなら心斎橋リリーとデュエットして違和感がないのは紫音・珠輝・愛夜香ぐらいのメインホストしかいない。しかしその日のNo. 1ホストを選ぶのは舞台上ではなく客席の我々なので、ホストちゃんというコンテンツの上ではさしたる問題ではない。そう、これは「ホストちゃん」というコンテンツなのだ。演劇ではない。演劇では、ないよなあ。

ameblo.jp

これは前作に出演したみやぎくんが、公演を終えた後に書いたブログの記事だ。全編に亘っていい文章だと思うが、中でも締めの一文に胸を打たれた。

でもやっぱり、安くないチケットを1枚やっと買えて見に来る人達に何かを届けるのが舞台の本質、と思ってたい..笑

何度でも褒めたい。これをはっきりと書けるみやこは凄いし、これを書いてもらえるみやこのオタクは本当に幸せだと思う。多かれ少なかれラブを貢ぎながら感じていたもやもやを、応援しているその人からこんな風に言ってもらえたら。そんなみやこ(唯我)のNo. 1レビューを、私は観てみたかった。それは上記のことを理解している人間のレビューを観てみたいということでもあり、先述のとおり色んな子のレビューが観てみたいと思ったが、中でもみやこは本人のノリが軽そうなのでホスト系の曲の雰囲気に合いそうだと感じたからでもある。しかしみやこはこれが書けるからこそ、もうホストちゃんには出演しないんじゃないかな、とも思う。

 

私が初めて白スーツを見たのは檸檬のそれだった。彼がレビューで「あなたもあなたもあなたも好きで みんな好きすぎて苦しくて あなたもあなたもあなたも好きで 俺はどうにかなりそうだ」と客席を指差しながら歌い上げる姿を見て、この指の先には今日彼に白スーツを着せた、彼のために自分のできる範囲でラブを貢いだオタクから太客レベルにラブを貢ぎまくったオタクまで、まついくんのことが好きで好きでしょうがないオタクの姿があるのだなあと、近くの客席にいるだろう、あるいは観に行くことは叶わなかったけれど毎日コツコツホスモバでラブを溜めた遠くの、知らないオタクたちに思いを馳せた。私が今目にしている彼の白スーツ姿は彼のファンの愛でできている。彼を支える、応援するファンがいるから、彼はあのステージの上で白いスーツを着ることができたのだ。先述のブログでみやこが最後に書いたとおり、「キャストとお客さんの絆がより深まる舞台」なのだろう。その根幹を成すとんでも集金システムは何度考えても好きになれそうにないが、「推し」と「オタク」の関係に一種の夢を見ている推しのいない私*3には、あの白スーツがとても輝いて見えた。オタクからの愛の白スーツ。仮に私が初めて見る白スーツが自分でも微々たるラブを貢いだ豪太のそれだったら、おそらくもりたくんに対する祝福や労いの気持ちの方が先行してしまい、オタクの愛(ラブ)に対する感慨も薄れていたように思う。檸檬のレビューは、元々代役をこなすもりたくんの姿を観に行くために急遽入ってたまたま観たものではあったが、ホストちゃんをより楽しめる結果となったのは素直に喜ばしいことだ。

 

・愛夜香の太客「りさ」に見る「推す」ということの理想形

ところで私は「推し」と「オタク」の関係に一種の夢を見ているので、愛夜香と太客りさ(彼女はモブ女子の中で唯一名前が与えられている)の関係性がそれはもう萌えて萌えて仕方がなかった。男女カプにさほど萌えを見い出さない私が見つけた、新しい自カプ爆誕の瞬間だった。

その日もりさは愛夜香に接客されていたが、そこへ超セレブの夢・ジャネットが来店する。すかさず年増好きでもある茶々彦と哀の二人が彼女の両脇を独占して自分の太客になってもらおうと接客するが、ジャネットの座るVIPシートを見上げてりさは愛夜香にこう話す。私の相手はいいから、私以上の太客になってくれるかもしれないジャネットのところに行って彼女を落としてきて、と。客の方からそう言われて困惑する愛夜香に、りさは「私は愛夜香がNo.1の白スーツを着るところが見たいねん」と訴える。そして愛夜香はりさの言うとおりジャネットのところへ行ってダンスでアピールをするのだが、その姿を見たりさは驚く。つまりりさは太客であるにもかかわらず、愛夜香がダンスができるということを知らなかったのだ。しかしりさはダンスを終えた愛夜香に対し、驚きと感心の入り混じったややぽかんとした顔で小さく拍手をする。自分にしてもらえなかったことに対して悲しむでも怒るでもなく、「推し」の新たな一面を受け入れるりさ。それだけでなく、No.1になってほしいから自分よりももっと金払いの良い客の相手をしろと推しを他の女のところへ送り出せるところが、「推す」ということの理想形のひとつであるように思える。そんなりさだから、愛夜香の方もりさを大事に思っているのかもしれない。一度りさや他の女の子たちの貢ぎの対象が愛夜香たち現実のホストからモバイルアプリのホストになる*4が、最後に女の子たちが現実のホストたちの元へ帰ってきた時に、他のホストは女の子の方から駆け寄ってくるのを待っているが、愛夜香だけは自分の客であるりさの元へ自ら歩み寄る。そして愛夜香は優しくりさの肩を抱いて、二人で何処かへ帰っていく。私の脳内にだけ~Happy End~の字幕が流れた。りさちゃんにはこれからも愛夜香の太客で在り続けてほしい。

 

「推しを特別にしたい」と思うのも「推しの特別になりたい」と思うのも、程度の差はあれど他人に好意を抱く人間の感情としては自然の摂理だと思う。例えばの話、私はもりたのキヨスミが好きで好きで、私は彼に何らかのかたちで「特別」になってほしかったし、願わくばもりたのキヨスミの特別になりたかった*5。ただ彼は2.5という次元の狭間の存在であるが故に何をどうこうすることもできなかったのだが、推しに対して何をどうこうすることができるのがこのホストちゃんというコンテンツだ。やろうと思えば舞台の上で推しを特別にすることも、そして舞台の後で推しの特別になることも可能なのだ。そのために何が必要なのかと言えば、無論金である。推しを特別にするために、あるいは推しの特別になるために使った金が当の推しのところへどれぐらい回ってくるのかと言えば、そんなの微々たるものだろう。その搾取ビジネスがいけ好かないのだ。推し本人と推しへの愛情、まさにラブを人質に取られたコンテンツ。若俳ワラワラショーとしては面白かったが、その裏で動いているお金のことを考えると、私がホストちゃんの100%を受け入れられることはやはりないのだと思う。ただ、少なからず応援している人が出るのであれば、企画日を設定してくれたオタクに乗っかってその公演だけは観に行った方がいいと言うことはできる。推しがいなくても面白かったのも事実なので、この集金システムさえもう少しまともであれば、もっと積極的にホストちゃんを薦めることができるのに。

 

 

 

おしまい。以下は気になったホストやキャスト数名について

 

・うさぎ

ホストちゃんを観て真っ先につぶやいたのがこちら

キャラ萌えならぴょん*6が一番だぴょん🐰ぴょんと一緒にガチ恋オタクの生態研究がしたい。マシュマロの串カツは知らないけどガトーショコラの串カツならお店知ってるよ♡他の串カツも美味しいよ♡もちろんお姉さんが全持ちだよ♡って誘い出して串カツ食べながら延々と恋愛心理学とか社会心理学とか自分の好きな話をしてほしいし、「えースイーツ串カツ3種類もあって悩んじゃいますう😣じゃあ僕は牛ヒレお願いします🐮」って普通に肉頼んでほしい。キャスト本人は顔が超絶プリティーで、踊る姿からダンスが大好きなのが伝わってくるうみちゃん(3rd裕太)系だった。


・茶々彦

言われても上手い返しはできないが下ネタ自体は大好きでゲラゲラ笑ってしまうので私の隣で延々と下ネタ言っててほしい。心と心、体と体で繋がる夜のお医者さん。口説きで複数の女の子の頭を撫でていったのがめちゃくちゃ上手いというか、客が何を期待してVIPシートを買っているのか、あるいはそういう金の使い方ができる客に対するファンサービスというのを理解していると思った。エアミュ初演ぶりに観たけど年取っても顔がカッコよかった。つまりよねはらくんが老けた分だけ私も年を取っているという訳で


・愛夜香

愛夜りさ自カプです。顔は好みじゃない筈なんだけど見れば見るほどカッコよく見えてくる。ていうかあれキービジュがよくない。撮り直して。スタイルが良くて声も良くて、おまけにあのスマートな雰囲気なんなんだろう。ガチ恋どころかファッションガチ恋にすらなれないぐらいカッコいい。ジャケットの模様が五線譜なのがいいよね。

上にも書いたけど劇中で特定の客(りさ)に執着(と呼べるほど激しいものでもないが)を見せるのが愛夜香だけなのがたまらない。茶々彦と哀のジャネットに対するそれは年増かつ極太客というストライクゾーンへの執着で、愛夜香にとってのりさも甘王さんに言われた「ああいう(太い)客は大事にしいや」から始まっているのかもしれないけど、まあホストちゃんでああだこうだ考えるだけ無駄なので、最後姫たちがリアルホストのところへ戻ってきた時に愛夜香だけが自分の姫であるりさの元へ自ら歩み寄っていくシーンという舞台上の現実をただただ思い返すのみです。愛夜りさ自カプです。


・紫音

まだオタクになる前、純粋な小学生だった頃に友達の影響でW-inds.が好きだったんだけどLeadはその弟分ユニットだったのでシングルも何枚か持ってました。しかもLeadならけーたくん推しだったんですよ私。まさか15年近い時を経てお初にお目にかかる日が来るとは。世界は狭い


・珠輝(こさかくん)

開演前にあったレビューの振り付け講座の時に、通路にやたら横顔の美しい男がいるけどこんなホストいたっけか……?と思ったがそれもその筈彼は私が観た前の公演には出演していなかった珠輝なのだから。横顔が美しいだけでなく、舞台に上がった姿は兎に角脚が長かった。脚が長すぎて骨格のつくりがおかしいんじゃないかと彼の身体を心配した。腰の位置が高すぎる。脚の長い男は最高。正面から見た顔はレン様(1st初代幸村)と南のけーちゃん(3代目手塚)を足して割ったような感じに見えた。キャラクターの方はもりたくんの珠輝を先に観たが、こさかくんの珠輝はより一層「顔だけで何もできない男」感が出ていた。湊人との過去の漫才再現パートでも、まったく同じことをやっているのにもりたくんの時よりも笑いの量が気持ち少なかったが、多分こっちが本来の「珠輝」なのだろう。確固たる原作を持たない上にシリーズ初登場のキャラなので、好みの問題ではあると思うが。あと湊人とのBLもどきシーンでもりたくんよりも表情が淡白だった*7ので、それも顔だけ男感を増長させていたのかもしれない。


・湊人

「君の帰るミナトはここだよ?」のフレーズが好きすぎる。みうちゃま(3rd跡部)とさとりゅパイセン(2nd財前)を2:1で配合したら可愛い弟系若手俳優が生まれました!って感じの子。かわいい。ごめんテニスのオタクだから例えがミュキャスになってしまうんだわ


・恋太郎

見た目が中性的なのも悪くないな……とか思ってたら喋るとめちゃくちゃ声が男前でびっくりした。ほんとに深くて良い声。あとツイッターでもつぶやいたけど口説きがほんとグダグダで、なんだけど言い終わった後に口説いた女の子に「悪ィ」って感じで手を合わせて謝ってたのが100万点だった。キヨハラ先輩!


檸檬

ねえまついくんめちゃくちゃガチ恋抱えてるでしょ!? 私のタイプのガチ恋俳優ではないけど1位取ってほぼ素で話しているのを見た時に「(こいつはヤバい!!!!!)」と何かを察した。主演舞台(グミのやつ)でお花の量が圧倒的だったとフォロワーから教えてもらった。ヤバい。遅刻するなよ!!!*8


・蜜柑

顔が学生時代のサークルの先輩(女)に似ている。蜜柑めちゃくちゃ愛されてるなあ。あとぴゅあらぶ学園の時の蜜柑完全にみかんぼうやだよね。遅刻するなよ!!!!!*9


・豪太(もりたくん)

V2おめでとう! 珠輝よりも豪太の方がよく知ったもりたくんの役という感じがした。それを考えると普段と異なる役柄の珠輝を演じられたのはとても良い経験になったのではないだろうか。豪太の時の彼はともすれば観月はじめになりかねない薔薇柄のシャツをああも着こなせるのが凄い。あと阿倍野ハルカの時とかしょっちゅう笑いを堪えていた。本人もテニスの時より笑いが取れていたし私も笑ったので(先述の珠輝の漫才もそうだし豪太としてもピザのくだりとか)よかったねと思った。よかったね。油断すると感想が小並感になるのをなんとかしたい

ホストちゃん公式からこさかくんとくらたくんの休演の旨が告知されたのは初日の朝だった。もりたくんが誰かの代役をやっているということをフォロワーから聞いたのは初日の公演後だった。一体彼はいつ代役をやることになったのだろうかと素朴な疑問を抱いていたところ、どうやら前日に決まり一夜漬けで珠輝の分の台本を体に叩き込んだそうだ。

mdpr.jp

今公演を観に行った方なら分かると思うが、今回の物語から誰かを削るならクラブローズの檸檬以外の3人の誰かになる。しかし一真も同様に休演、蜜柑は蜜柑成分が強すぎるため代役には不向き、となると、珠輝役に限らず代役に充てられるのは必然的に豪太となってしまう。プレッシャーもあった中、5公演やり切ったもりたくんのことをめちゃくちゃ褒めたい。ただ一つだけ惜しかったのが、車椅子の上で息も絶え絶えのリリーの傍に居る時、車椅子の銀色ではなくリリーの細白い手を握れたなら珠輝がリリーのことを好きであるという設定への説得力が増したと思う。そもそも脚本自体が珠輝の恋心は取ってつけたようなレベルだし、こさかくんがそうしていたのかと言えばそんなこともなかったので、これはあくまで他舞台でも彼の演技を観たことがある人間としての感想である。

珠輝として舞台に立つ最後の公演でNo.1になれたのは、もちろん何人かの太客のお陰でもあったのは間違いない。しかしそれだけではなく、彼の頑張りが企画のない日の公演を観に来たオタクのラブを掴んだ結果の白スーツでもあると思う。普段の白スーツがオタクの愛でできた白スーツなら、あの日にもりたくんが掴んだそれは、彼の努力の証の白スーツだ。「あなたの愛でナンバーワン」と歌っているけど、あれだけは、もりたくんの努力がナンバーワンだったからだよ。V2、本当におめでとう。

 

注釈で触れたとおり、もりたくんは「推し」ではないというその辺の話も書こうかと思ったが、だいぶ長くなってしまったのでその話は気が向いたらプライベッターあたりで書くかもしれない。とりあえずこの記事は、DL2017の後に出した手紙にはあえて書かなかったこの言葉で締めることにする。これからも応援してるよ。頑張ってね。

 

 

 

 

 

*1:劇中の登場人物。ホストたちが突然繰り広げながら提案するBLもどきシーンに大興奮する時の言葉選びと言い方が面白くて、舞台上のホストたちも時々笑いを堪えていた

*2:なんとこちらも「愛」と「AI」をかけていたので翌日ホストちゃんの終盤で阿倍野ハルカがそのようなことを口にした時に「昨日見た舞台と繋がったな……」と一人意味不明なことを思っていた

*3:もりたくんは現状いわゆる「推し」ではない

*4:個人的にこのアプリゲームに貢ぐ女たちのくだりが当舞台のためにラブを貢ぐ我々への風刺のように思えて、いやそれで金稼いでるのはお前らだろと薄ら寒くなったし私のホストちゃんって元々モバイルゲーム発祥なんだよね。ゲーム開発者の蛭田が鈴……さむの分身に思えて気持ち悪かったし、その蛭田がジャネットを改造手術する時に「簡単にホストにときめいちゃう弱い心」って言ったのも信じられなかった。オタクを馬鹿にする奴らに推しのためにお金を払わなきゃいけないの辛すぎるし、ホストちゃん楽しいけど推しには出てほしくないよねって色んなオタクが口にするのを、推しのいない私はこんなところで感じてしまった

*5:千石清純本人のTOになりたいともさらさら思わないし、困ったことにもりたのキヨスミからの認知は欲しかったがもりたくん本人にはあんまり顔を覚えられたくないので本当に何なのかよく分からない。例えばファンサもらったらめちゃくちゃ喜ぶけど私の顔は秒で忘れてくれ

*6:1/24公演うさぎ口説き後の甘王さん「お前みんなから「ぴょん」って呼ばれてるんだってな」

*7:逆に言うともりたくんの方が表情がエロくてBLもどき描写への説得力があったし湊人も豪珠輝のスカーフ緩めて胸元はだけさせたりとノリがよかった気がする

*8:ゲストの深雪(そめやくん)に前回の遅刻のことを暴露された

*9:同上