わたしにできること / 森田桐矢の千石清純に寄せて

 

キヨスミ先輩ありがとう! またね!

ふたりのためのコーダ / DREAM LIVE 2018 - つぶやくにはながいこと

 

まさか本当に帰ってくるなんて誰が思おうか。待ちに待った10月8日と10月9日。私の大好きな先輩は、何も変わらないままそこに居た。会場に集まる女の子たちを鼻の下を伸ばしながらウォッチングして、時々手を振ったり、ラジオ体操に紛れて投げキッスしたり。全国氷帝公演で『スマイルアンドティアーズ』を初めて観てからずっと願っていた、彼が踊るラストの群舞も観ることができた。女の子たちに囲まれて、それは楽しそうに踊っていた。


先述のDL2018の記事で「私ができることはぜんぶやったよ」と書いたしそれは嘘ではないが、実は私にはやり残したことがあった。平古場登場後のラケットが本当に森田くんの私物であるかの確認と、「千石清純役の森田桐矢くん」へ手紙を書くということ。森田くん本人へは、DL2017の後に事務所宛に手紙を送ったことがある。書きたいことはそこで書いてしまったから、DL2018の時も手紙は出さなかった。それでもやっぱり、その時に友達が口にした「観月役のみやこに手紙を出せるのはこれが最後だと思うから」の言葉が胸に引っ掛かっていた。私は、「千石清純役の森田桐矢くん」へ手紙を出したことがなかった。


ラケットの確認は、ご本人に接触できるイベント*1があったので、単刀直入に「去年のドリライで千石さんが使ってたラケットはお家にあるものですか!?」と訊いた。そうだった。彼は私の分厚い山吹マルチポーチにサインしようとする手を止め、懇切丁寧に、そして何処かで思い出を振り返るように、自分がラケットを手にしてからあの日ステージの上でそれを握るまでの過程を教えてくれた。嬉しかった。関東氷帝公演の大千秋楽が終わった後、ツイッターに上げられた画像に写るラケットは、森田くんが記念に買っただけに留まらず、遂に正真正銘テニミュ3rdシーズンの千石清純のラケットになったのだ。そして。

 


大運動会の最後の全校メドレーで、彼は自分のラケットを握って『一陣の風』を踊った。写真に写る彼の胸にはラケットバッグ。感慨無量だった。深夜に帰宅してツイートを見返して泣いていたら、五月蝿いと親に怒られた。

 

 

 

 

 

例えばの話、私はもりたのキヨスミが好きで好きで、私は彼に何らかのかたちで「特別」になってほしかったし、願わくばもりたのキヨスミの特別になりたかった。

No. 1の俺が空を飛ぶ / 私の「私のホストちゃんREBORN 絶唱!大阪ミナミ編」体験記 - つぶやくにはながいこと

 
私はもりたのキヨスミからもらってばかりだ。青春も、熱狂も、幸せも、他人からの好意も、そして「痛み*2」でさえも。それなのに、私から彼にできることは何もない。だからせめてもと思って、彼のプレゼンを呟いた。

 

 
「森田くんが千石さんで羨ましい」、「役のことを大事にしてくれる人に演じてもらえて羨ましい」。過去に他のキャラクターのオタクたちから何度も言われた。もしかしたら「千石清純」のTO(トップオタ)は、それこそ彼の登場時から20年近くずっと追いかけ続けて、wenew900tiの赤だって所持しているオタクは何処かにいるかもしれない。でも「テニミュ3rdの千石清純」のTOは、他でもない役者本人なのだ。森田桐矢演じる千石清純を好きでいる私たちは、彼が千石清純で在る以上ずっと安寧の地に身を横たえることができる。これがどんなに幸せなことか、重たいオタクなら解ってくれると思う。彼を追いかけ続けているだけで、私たちは幸せで居られる。だからこそ私は、もらってばっかりじゃなくてもりたのキヨスミに何かあげたかった。直接キヨスミ先輩に何かをあげられた訳じゃないけれど、上のツイートが衆目を集めたのが心の底から嬉しかった。もりたのキヨスミの良さを少しでも多くの人に知ってほしかった。たくさんの女の子からの愛を受けてほしかった。自己満足。ぜんぶぜんぶ自己満足。それでもよかった。どうせ一介のファンでしかない私には、何もできることなんてないんだから。精々プレゼントボックスに手紙を託すことしかできないんだから。私は最後に、「千石清純役の森田桐矢くん」に手紙を出すことができた。

 

 


フォロワーが大運動会の時に、「メドレーを歌い終えた千石が黒いケースにラケットをしまう姿が辛い」という旨を呟いていた。それは違う。バクステにも時々映るあの黒いケースにラケットをしまったその後が、千石清純と森田桐矢には用意されている。彼は舞台裏で黒いケースから再度ラケットを取り出して、自分の家に持ち帰る。そこから先に待っているのは二人だけの時間だ。


今後テニミュは、サンキューフェスティバルなるイベントを開催する。ロゴのカラーリングから察するに山吹にも何かしらの展開があるが、森田くんが「千石清純」として私たちの前に姿を現わすのは大運動会が最後だったのではないかと思っている。山の影から照り映える夕焼けのような髪を持つ彼との再会。本物になったラケット。出せなかった手紙も出した。それどころか何故か私もフォロワーから手紙をいただいた。そこにある有難いお言葉も、これまでweb拍手からいただいた沢山の愛おしいメッセージや、私にだけそっと打ち明けてくれた秘密も、ぜんぶ千石清純、あるいはキヨスミ先輩なくしてもらえるものではなかっただろう。先輩だけを追いかけて走り続けた私の後ろに広がるのは、どんなパレードよりも輝いているワンダーランドへの入り口だ。私が思い続ければいつだって彼らは存在する*3


これからテニミュ3rdが幕を下ろすまで、千石清純と森田桐矢は二人だけのウィニングロードを駆け抜けていくのだろう。荊のような苦しい道程の中に楽しさや喜びを見い出せる彼らの行き着く先が、どうかラッキーに満ち溢れるものでありますように。

 

 

 

 


タイトル:中島愛/わたしにできること

*1:DVD発売イベント。3枚買うとチェキ+任意の私物へのサインをしてもらえる。円盤は友人に押し付けたところ「ホームビデオ過ぎて面白い」と大変好評でした

*2:劇場版まどマギの悪魔ほむらの台詞より

*3:3rd観月はじめ役宮城紘大くんのブログより https://ameblo.jp/dddkoudai/entry-12377249289.html