つぶやくにはながいこと

ブログ名変えました

王子様はサンタクロース ~テニプリバレンタインに捧ぐ~

ゆうパックのお届け先のおまなえ欄に「跡部景吾様」「千石清純様」と書き記す瞬間が一番気分が高揚する。手紙なんて書くだけならいくらでもできるけど、皆が思いを込めて書いたそれは、丹精込めて選んだ贈り物はちゃんと彼らに届くのだという証明が、そこにあるから。

 

 

 

私が初めて「テニスの王子様」にチョコレートを贈ったのは数年前、許斐先生が不二くん宛にたくさんのチョコレートが届いた旨をツイッターで報告した年のことだった。それまでは他人の褌で相撲を取る、ならぬ他人が贈ったチョコの数で一喜一憂する雌猫だったのだが*1跡部様には今年も1位を飾っていただきたいと微力ながら助太刀することにした。元々お菓子と可愛い箱が好きな私は、毎年この時期になると日本橋のデパートに足を運んでいたため何処に行けばどんなものが買えるかを熟知してはいたが、それでも跡部様へ贈るチョコレートを選ぶのには2時間近くかかった。三越高島屋のデパ地下と催事場を2往復した。銀座線で一駅の距離だが無論電車は使っていない。自分が納得できるものを選んだ達成感に包まれていた私には、足の裏にできた肉刺が弾ける痛みなんて微塵も感じられなかった。

 

お気付きのとおり「跡部様に1位を取ってほしい」と言っている癖に、私が贈ったのはたった1個のチョコレートだ。ツイッター上でも森永ダースをダース買いしてそれを更に数ダース送った人や、単品で売られているチョコを自分でラッピングして一つ一つに宛名を書き「1個」のチョコとしてカウントしてもらえるように工夫した人の報告など、あの年は色んな「対跡部対策」「対不二対策」が流れてきた。本当に数にこだわるならそういう人の方が正解だろうし、そこまで金額や手間暇をかけてドカンと愛を伝えるオタクのことが私は大好きだ。でも自分ではそれをやらなかった。毎年贈られるチョコレートの話題を目に耳にする度に、きっと心の何処かで私もいつか王子様にチョコレートを贈りたいと思っていたのだ。

 

他の人に贈り物を選ぶように、跡部様のことを思いながら選んだチョコレート。数の上では何千分の一だけれど、跡部様に贈られたものとしてカウントされる。そして初めて跡部様に宛てた手紙。特定の誰かに向けて文章を認めるのが苦手なので、内容はどうしてこのお菓子を選んだかということが8割を占めていたと思う。それでも跡部様のことを思って一生懸命書いた。不思議な気分だった。紙の中や画面の中、或いは舞台の上という手の届かない異次元の存在の筈の跡部景吾という人間に手紙を書いて贈り物をする。ゆうパックのおなまえ欄に「跡部景吾様」と書いて送っても、宛先不明などで返ってくることなくちゃんと何処かへ、何処かにいる跡部景吾のところへ届いている。まるでクリスマスの夜に欲しがっていた玩具を置いて何処かへ去っていくサンタクロースのように、プレゼントを贈る立場こそ逆であれ、大好きな王子様のところに思いを込めた贈り物は届いている。許斐先生が届けてくれる。これってとっても幸せで、とっても贅沢なことだ。普段は物語を享受することしかできない私たちが、彼らのいる世界を覗き見ることしかできない私たちが、キャラクターへ直接感謝の気持ちや日々の思いを伝えられるまたとない機会。だから私は今年もチョコを贈る。一番好きなキャラクターの跡部様と、最初の王子様である千石さんと、今年はこの一年で(私というよりも友人が)お世話になった観月さん、そしてテニミュが楽しいものであることを10年振りに思い出させてくれた山吹中テニス部にも贈った。跡部様と山吹中へのチョコレートはあっさり決められたが千石さんへ贈りたいと思えるチョコレートがどうしても見つからず、上記の日本橋だけでは飽き足らず銀座の三越松屋にも足を運んだがそれでも納得できず最終的に地獄のような人混みのサロン・デュ・ショコラまで行った。できることならもう来年は日本橋だけで済ませたいが、もし贈りたいと思えるチョコレートに出会えなかったらまた銀座か新宿か国際フォーラムか或いは何処かの会場で押し合い圧し合いされながら王子様への贈り物を買うことになるのだろう。しかし彼らのことを思いながら選んだ便箋にペン先を走らせるひとときの前では、そんな苦労があったことすら忘れてしまう。寧ろ妥協した方が自分に対する後悔も残る。ああまた次も贈りたい、次はどんなチョコレートを彼らのために見つけられるだろうかと、今年のバレンタインが終わる前から来年のことを考えている。

 

 

 

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千石さんのところに、今年も世界中の女の子からチョコが届きますように。

 

 

 

*1:そういうファンの方は結構多いと思いますがテニプリファンの全員が全員チョコを贈るようになったら物理的に大変なことになる(というか既になってる)ので引け目を感じたりすることなくこの調子で一緒にテニプリを楽しみましょう(?)