つぶやくにはながいこと

あたまのたいそう

元テニモンが3rd山吹公演で出戻って早くも成仏した話


自分語りへのアンサーソングみたいな究極の自分語りです

 

 

 

3rd氷帝公演の大千秋楽の翌日は予め休みを取っていた。元々原作では氷帝が好きで、さらに私をテニモンに戻してくれたキヨスミのいる3rd山吹の最後の晴れ舞台ともなれば精神的にも持たないだろうし、もし本当に凱旋公演をすべて観られるなんてことになったらインドアオタクの身体は物理的にも持たないのは目に見えていたからだ。努力と執念で凱旋公演のチケットを4日分手にした私の5日目の身体は案の定バッキバキで、そんな身体をなんとか起こしてリビングのテレビの前まで持ってきて、これまでの3rd山吹の軌跡を見返しながら一人泣きじゃくったりしていたのだが、気持ちは不思議とふわふわしていた。家から一歩も外に出ない上に、テニミュという長い夢の後の現実味のない一日だったからだろうか。しかし昨日の朝起きていつも通りに支度をして駅まで歩いて電車に揺られながら、自分がテニミュに対して凄くすっきりした気分でいることがはっきりと分かった。成仏するってこういう感じなんだね。

 

 

 

私が初めて3rd山吹公演を観た去年のクリスマスは、本来ならば学生時代に所属していたサークルの定期演奏会を聴きに行く予定だった。登壇する後輩たちや、誰かと一緒に聴きに「行く」という具体的な約束をしていた訳ではなかったが、ツイッターで楽しみだなあと呟いたりしていたし、演奏が聴きたかったという気持ちに一切の嘘はなかったし、会場に足を運ぶつもりも当然あった。しかし私はテニミュを選んだ。

 

その数年前、テニミュ1stの最後を締め括るDreamLive7thの時に、同じ日に行われることになったサークルの新入生お披露目会を選んで死ぬほど後悔し続けていた私は、だからという訳ではないが、クリスマスの日に自分の趣味を選んでしまった。実はそのサークルにはテニモン(当時)の先輩がいて、お披露目会の日取りが決まった時に私は先輩にこんなことを言ったのだ。「私は新入生だからお披露目会に出なきゃダメだけど、私たちのステージよりも、テニミュの最後のチケットがあるならそっちに行ってください」。その言葉を当時の自分にそのままそっくり返してやりたい。結果論かもしれないが今でもテニミュに縛られているのは、テニスの王子様をひたすらに追い駆け続けているのはその先輩じゃなくてお前の方だし、そもそもその時点でお前の方がテニミュを観続けてきた歴史だって長いんだからお前の方こそテニミュの最後を見届けるべきだったんだと、私は当時の自分の言葉を反芻しては長年地獄のような思いを抱えていた。お披露目会の後の打上げ会場で「私の知らないところで私の愛したテニミュが終わっていくのだなあ」とぼんやり思っていたあの日の私の魂は、そのまま現世を彷徨う自縛霊の如く長い間私を縛り続けていた。2ndでも最後までテニモンに戻れなかった私は、このまま普通のテニスのオタクとしてテニミュを広く浅く見届けていくのだろうと、自分に対する諦観すら感じていた。

 

 

 

公演を観た時の話は既にしているので割愛するが、最初の王子様が実体を持って試合をする姿を観て得も言われぬ感情に襲われた私はその日の深夜におけぴに駆け込んで、翌公演のチケットを譲ってもらう約束を取り付けた。こういう時だけ動きが早い。

 

私が最初に観たテニミュはThe Imperial Match氷帝学園の初演(夏)で、そのチケットを用意してくれた3つ上のお姉さんも「実は明日のチケットが余ってるんだよね」と漏らしていた。本当はそのチケットでもう一度テニミュが観たかった。目の前に現われた氷帝学園をもっとこの目で観たかった。しかし当時中学生だった私が夜にテニミュを観るためには母親の迎えが必要であり(そうでないと父からの許可が下りなかった)、その日も小学生の弟を家に置いていく訳にも行かず連れてきた母が電車の中で「明日はもう無理だよお」とへとへとな声を漏らしていたので諦めた*1。この時に譲り受けることが叶わなかったチケットを、「楽しいテニミュをもっと観たい」と思っても手が届かなかったチケットを、公演こそ違えど私は10年以上の時を経て手にすることができたのだ。自分が本当に好きなものを選び、そしてそこに手を伸ばすことができる現在。昔の自分が出来なかったことを、テニミュに対する後悔をひとつひとつ断ち切っていくような経験を私は3rd山吹と共に、知らず知らずのうちにしていたのだ。

 

 

 

そこからは怒涛の日々だった。3rd山吹の東京公演は時期的に許斐先生のライブのことも見越して2公演に抑えておいたが、凱旋公演期間が長かったお陰でスケジュール的にも無理せず(個人的には)そこそこの公演数を観ることができた。公演が始まってからテニモンに戻った故、自力で取ったチケットは一枚も無かったがご縁に恵まれ色んな座席で観劇することができた。段差列の存在を知りそれに喜んだり、アリーナ前方にもかかわらず双眼鏡を構えたり、お見送りでファンサに沸いたり、初めて大千秋楽公演に入ってうっかり円盤に収録されたり、そこに居た私は完全にテニミュを愛する、テニミュを楽しむただのテニモンだった。チムライで偶然キャラクターグッズに気付いてもらえたり、お見送りで会話したり、ドリライでとんでもない席に座って念願のハイタッチが叶ったり、公演◯回記念写真で強火モンみたいなことになっていたり、遠征はしないと言っていたのによりにもよって本公演ではなく縦断イベントのために遠征して幸運にもサインボールまでもらってきたり、巡り巡って座席当選写真を手にすることができたり、1stシーズンではなく現代型の、3rdのテニモンとしてこれだけできればもう充分だろうというほど楽しい思いをさせてもらえた。それこそ本当に凄い人は座席当選どころかサインも複数枚当たっていたり、所謂若手俳優のファンであれば「推しに認知を貰って」ファンサを沢山もらっていたりすることだろう。それでもテニスのオタクの延長でテニモンをやっている私は、これだけの思い出を貰えればもう充分だった。1stシーズンを最後まで全力で駆け抜けられなかった私は、3rdの山吹と出会ってテニミュ3rdを全力で駆け抜けた。だからなのかは分からないけれど、キヨスミや山吹の子は私に沢山の思い出をくれた。氷帝公演も最初の頃は「あー山吹やっぱりコメディリリーフだよねーつらい」とかぐちぐち言っていたけれど、何時の間にか吹っ切れてただの山吹定点カメラになっていた。寧ろ試合の時には観られないような細々した演技や表情から、彼らの考える王子様の像を見い出せるのが楽しかった。東京公演でキヨスミの公演前アナウンスの回に当たれなくて本気で泣きそうだった私は、凱旋のアナウンスこそは逃さないぞと死に物狂いで検索結果に張り付いた結果(凱旋公演の全通を目指した最初の理由はそれだった)山吹が勢揃いする場面も、ついでに前楽での手塚と跡部の最高の公演後アナウンスも聴くことができた。手塚と跡部の名前を聞いて雄叫びを上げるほど興奮した。そんなに大好きな手塚と跡部の試合、氷帝戦シングルス1でも気付けば私は緑色のユニフォームの彼らを目で追っていた。途轍もなく勿体無いことをしているのだろうと頭の片隅でなんとなく考える自分もいたが、そこに一切の悔いは無い。私をテニミュ3rdに連れてきてくれたのはキヨスミや山吹の子であり、私がテニミュ3rdで追い駆けたいと思えたのもキヨスミや山吹なのだから。

 

 

 

氷帝公演大千秋楽の挨拶で、本公演やドリライの時はあんなにぐずぐずだった山吹の彼らはとてもすっきりとした表情をしていた*2。私の記憶から抜け落ちているだけでなければ、彼らは「卒業」という単語を口にせず、おまけにライブビューイング限定映像では「またね」の言葉を残してくれた。もしかしたら本当はおしまいなのかもしれないし、それをキャストの皆は知っているのかもしれない。でも山吹中テニス部の彼らは言葉にしなかった。ミュージカルテニスの王子様3rdシーズンはこれからも続いていくし、それが続いている限りは彼らは3rdの山吹として、確かに存在しているのだ。ドリライの時に、本公演ゲスト公演チムライと経てドリライで綺麗に卒業できるルドルフとそのファンが心底羨ましいと思っていたけれど、その集大成をコートの上で見せてくれて、おまけに再会の言葉まで贈ってもらえた私たち山吹のファンもとっても幸せな終わり方をさせてもらえたんだなあと、本当に、3rd山吹を好きになれてよかったなあと晴れ晴れした気持ちで胸がいっぱいになっている。成仏できたよ。

 

 

 

私はテニミュに於ける自分の好きなキャラやキャストに「○○、テニミュ、楽しいか?」と訊かれて「テニミュって……楽しいじゃん!!!!!」と心の底から答えられるならテニモンだと思います。私は森田キヨスミに「すーちゃん、テニミュ、楽しい?」と訊かれたら笑顔で「テニミュって……楽しいじゃん!!!!!!!!」と答えられますし、このやり取りをどうしても本名でやりたくてリア垢でツイートしたところ何故かふぁぼが付いて嬉しくなりました。テニミュって楽しいじゃん!

 

私が思うテニモンの定義 - しがないオタクがつらつらと

 

山吹のユニフォームに身を包んだキヨスミに「すーちゃん、俺たちと駆け抜けたテニミュ、楽しかった?」と訊かれたら笑顔で「とっても楽しかったよ!テニミュの世界に来てくれてありがとう!」答えられるし、「俺たちもテニミュの世界、とっても楽しかったよ!」と思ってもらえているならいいなと思いながら、とりあえずは土曜日の縦断イベントも楽しんでこようと思う。折角もらったとってもいい席、キヨスミからの最後のプレゼントだと思いながら座ることにする。

 

 

*1:その公演のS1前氷帝コールの後のラケットキャッチで和樹はラケットを掴み損ねて落としたらしいが、冷静に「樺地」と言って樺地にラケットを拾わせるという行動を取り称賛されていたのを物凄く覚えている。土砂降りの雨の日だった。

*2:にしなは泣いてたけど そういうところが可愛いよね 笑